「同胞殺せない」 デモ弾圧嫌いインドへ逃亡、ミャンマー兵士や警察官
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■射撃命令
逃亡したある警官(24)は、彼女自身の体験を語り、泣き崩れた。
兵士らにデモ参加者を撃てと命令が下り、警備強化のために警官が配備された。「警察だとはいえ、私たちもあの人たちと変わらぬ市民です。そんな命令など聞きたくもなかった。撃つ気になんてなれなかった」
警官が民間人を射撃するところは目撃していないが、チン州の高地にある小さな町でデモの指導者らが逮捕されるのを見たと証言する。
彼女はミャンマー全土で数万人の公務員が加わっている市民的不服従運動に参加したという。「民主主義を取り返したいのです」
「国際社会に私たちの国を助けてほしい。自分は階級が低いので大した力がない…だから参加しました」。家族の唯一の稼ぎ手だったので、暮らしを心配している。
チョーさんに加え、彼女ともう一人の警官は、軍や警察の身分証明カードを見せてくれた。AFPは彼らの証言内容を独自に確認できなかった。
開け放った窓から日が差し込む中、黙って座っていた彼らは右手を上げて3本指を立てた。米映画『ハンガー・ゲーム(The Hunger Games)』で抵抗のサインとして描かれたジェスチャーで、ミャンマーの抗議デモ参加者の間で広まっている。
「ミャンマーには戻りたくない」とチョーさんは言う。まだ震えが止まっていない。「自分は兵士なので、戻ったら身の安全はない」 (c)AFP/Aishwarya KUMAR