■「めちゃめちゃ叫んじゃいます」

 日本人F1ドライバーは、2014年の小林可夢偉(Kamui Kobayashi)以来となる。オフには首まわりの筋肉を重点的に鍛え、F1マシンのGや馬力に耐えられる体をつくってきた。身長159センチと小柄で、マシンのペダルはそれに合わせた特注品だが、ほとんど物怖じしない性格に見える。

 本人は、積極的なオーバーテークとブレーキング技術が自分の強みだと考えており、「他のドライバーより、奥に突っ込んでいって車を曲げる技術に自信があります」と話している。オフの間はゲームなどでリラックスした時間を過ごそうとしているそうだが、ゲームは本業で冷静さを保つ「トレーニング」にもなっているという。

「自分はレースの中で、予選でプッシュしているときにミスをしてしまったり、前の車が邪魔でラップが台無しになってしまったりすると、熱くなりやすくて無線ですごく叫んだりする方。ゲームでも、ミスで負けたりすると、すごく熱くなってめちゃめちゃ叫んじゃいます。だからゲームでも、自分をコントロールできるように心がけています」

 角田のF1デビューが決まり、日本のファンは興奮に沸いているが、喜んでいるのは角田も同じだ。F4時代に鈴鹿サーキット(Suzuka Circuit)を走った角田は、10月の日本GP(Japan Grand Prix 2021)で、成長した姿を母国のファンに見せたいと意気込んでいる。

「(F1とF4のラップタイムは)45秒くらい違う。そういった違いを楽しみにしています。日本のモータースポーツファンの前で走れるのが楽しみです」 (c)AFP/Andrew MCKIRDY