【3月22日 AFP】オーストラリア南東部は21日、再び豪雨に見舞われ、シドニーの北で起きている「100年に一度」の水害が悪化した。1万8000人に避難命令が出され、200校以上が休校となった。

 人口が最も多いニューサウスウェールズ(New South Wales)州沿岸部では、ここ数日間の豪雨によって広範囲で水害が発生した。当局によると、州都シドニー北西部の一部地域では、過去数十年で最悪の水害となる見通し。

 この地域は長期間の干ばつの後、一昨年から昨年初めにかけて前例のない大規模な森林火災が起きていた。

 今回の水害では、同州ミッドノースコースト(Mid North Coast)地域が特に大きな被害を受けた。グラディス・ベレジクリアン(Gladys Berejiklian)州首相は「100年に一度」の災害と呼んでいる。

 20日午後には、シドニーの水がめ、ワラガンバダム(Warragamba Dam)から水があふれた。シドニーのホークスベリーネピアンバレー(Hawkesbury-Nepean Valley)では川が増水し、水位は1961年以降で最高を記録する見通し。

 救急当局は現地メディアに対し、これまでに1万8000人に避難命令が出され、22日朝の時点でも2000人が対象となっていると明らかにした。

 当局は、これまでに死者や重傷者が出たという情報はないが、「命の危険がある」状況が続く恐れがあるとして、警戒を呼び掛けている。(c)AFP