【3月20日 AFP】過労とストレスで疲れ切った米金融大手ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)の新入社員らが、1週間の勤務時間の上限を80時間にしてほしいと社内で訴えていることが分かった。

 新入社員らは、顧客向けに作成する資料のように、統計やグラフを用いた全11ページのプレゼンテーション資料を作成し、その中で自分たちの意見を表明。この資料は17日からソーシャルメディアで拡散され始め、翌日にはツイッター(Twitter)からも入手できるようになった。

 資料は入社1年目の社員13人を対象にしたアンケート調査に基づいており、それによると、年初に入社して以降、勤務時間は平均して週98時間、就寝時刻は概して午前3時ごろだった。

 社員らは心身の健康が損なわれていると訴えており、77%が自身を「職場における虐待の犠牲者」であるとした。

 ある社員は、同社での勤務について、「午前9時から午後5時までで終わるとは最初から思っていなかったが、まさか、常に午前9時から翌日の午前5時までになるとは思ってもみなかった」と不満を漏らしている。

 こうした状況を改めるために社員らが提案しているのが、週の労働時間の「上限」を80時間にするべきというものだ。

 ゴールドマン・サックス側は、「新型コロナウイルスが流行して1年がたち、当然ながら、誰もが非常に無理をしている。そこで、社員の懸念に耳を傾け、問題に取り組むために複数の措置を講じることにした」と述べている。

 同社に近い情報筋がAFPに明らかにしたところによると、社内では、今回の提案書に関与した社員13人を含む若手社員らとの話し合いが行われた。

 この情報筋によると、同社は年初以来、前倒しで社員の採用を進め、新入社員らを最も多忙な部署に配置していた。(c)AFP