【3月20日 AFP】世界保健機関(WHO)の諮問委員会は19日、英製薬大手アストラゼネカ(AstraZeneca)製の新型コロナウイルスワクチン接種後の血栓発症例について検証した結果、同ワクチンの使用を引き続き推奨すると表明した。

 WHOのワクチン安全性諮問委員会は声明で、アストラゼネカ製ワクチンは現在も接種のメリットがリスクを上回り、「世界中で感染を防ぎ死者を減らす非常に大きな可能性がある」と明言。データからは、接種後に血栓発症例が全体的に増加したことは示されなかったとした。

 委員会は、ワクチン接種後の血栓発症数は通常の範囲内にとどまると説明。深部静脈血栓症や肺塞栓(そくせん)症などの血栓症は「自然発生し、珍しいことではない」とし、「こうした事象の発生率は予想より低かった」と結論付けた。

 アストラゼネカ製ワクチンをめぐっては、欧州医薬品庁(EMA)が18日に「安全で有効」とする声明を発表。これを受け19日には欧州数か国が接種を再開した。(c)AFP