【3月20日 AFP】男子テニス、世界ランキング12位の新鋭デニス・シャポバロフ(Denis Shapovalov、カナダ)は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)による影響で賞金が減額されていることから、今年のツアーではこれからも選手が出場を辞退する確率が高くなると予測した。

 21歳のシャポバロフは、ベテランのトップ選手の大半が四大大会(グランドスラム)以外のツアーに「出場する理由がない」と話し、スポンサーとの契約でプレーする義務がない限り、今後も大会を見送るケースが増えていくと強調した。

 次週に開催されるマスターズ1000(ATP Masters 1000)のマイアミ・オープン(Miami Open 2021)は、ラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)やロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)、ドミニク・ティエム(Dominic Thiem、オーストリア)ら強豪選手が欠場する事態に見舞われている。

 ウイルスの大流行で昨年最初に中止が決定されたツアーの一つである同大会は、賞金総額が2019年大会の1670万ドル(約18億1800万円)から今年は668万ドル(約7億2700万円)にまで減少。現在開催されているドバイ・テニス選手権(Dubai Duty Free Tennis Championships 2021)のシングルスでは、昨年はノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)がトロフィーを掲げて56万5705ドル(約6160万円)を稼いだのに対し、今年の優勝者に与えられるのは14万9490ドル(約1627万円)となっている。

 今年のドバイ選手権でベスト4入りを決めた18日にシャポバロフは、「これからも出場辞退が増えるだろうし、多くの選手が大会への遠征を控えるのは間違いない。なぜなら、賞金が少ないからだ」と予測した。

「ある意味で、毎週プレーすることや、あらゆるビッグトーナメントに出場する意欲が湧かない。なぜなら、今年の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2021)のように、現時点でこれまでと同じか高い金額が支払われているグランドスラム以外、自分たちにとってはあまり大きな意味がないからだ」 (c)AFP/Reem Abulleil