【3月19日 AFP】オーストラリア東部の農業地帯でネズミが大発生し、農作物が荒らされる被害が広がっている。ネズミの大群が辺り一面を走り回る身の毛もよだつ光景が、日々繰り広げられている。

 ニューサウスウェールズ(New South Wales)州の農業組合によると、地元の農家からはネズミの「激増」が報告されている。収穫した穀物を貯蔵しているサイロや納屋はもちろん、家の中までネズミが侵入してくるという。

 シドニーから北西に車で5時間のギルガンドラ(Gilgandra)で撮影された動画には、配管の下や倉庫の柱、機械の上をちょろちょろと走り回る無数のネズミが映っている。

 この動画を撮影してフェイスブック(Facebook)で公開したメラニー・モリス(Melanie Moeris)さんの投稿には、「これこそ悪夢だ! 見ていられない」というコメントが付いた。

 専門家によると豪東部では干ばつが数年間続いた後、夏季に例年以上の大雨が降ると、ネズミが大発生することがある。

 農家は今年の収穫が危ぶまれているとして、リン化亜鉛の殺そ剤を使用する緊急許可を政府に申請した。

「ネズミの状況は悪化するばかりだ」。ニューサウスウェールズ州農業組合の代表、ジェームズ・ジャクソン(James Jackson)氏は、州各地から過去最悪の被害報告が上がっていると指摘。「ネズミの駆除は費用がかさむ。現在の被害の深刻さからみて、農耕地に(殺そ剤入りの)餌を何度かまく必要がある」と訴えた。(c)AFP