【3月19日 AFP】スパイ容疑で2年以上前に中国で拘束されたカナダ人男性の裁判が19日、北朝鮮との国境に近い中国東北部・丹東(Dandong)で行われ、カナダの代理公使によると審理は3時間もかからず終了した。

 裁判所前で記者会見したジム・ニッケル(Jim Nickel)駐中国カナダ代理公使は、裁判は結審し、現在は判決を待っていると述べた。

 実業家のマイケル・スペーバー(Michael Spavor)氏は、中国で拘束されたカナダ人2人のうちの一人で、昨年6月にスパイ罪で起訴された。同じく起訴された元外交官マイケル・コブリグ(Michael Kovrig)氏の裁判は、北京で22日に行われる予定だ。

 2人の拘束は、カナダ当局が米国の要請に基づき中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ、Huawei)の孟晩舟(Meng Wanzhou)最高財務責任者(CFO)を逮捕したことへの報復とみられている。

 カナダ外務省は18日、複数の公式要請を出したにもかかわらず、中国当局から「裁判の傍聴許可は下りなかった」と発表した。

 2人は拘束後、ほとんど外界と接触できていない。中国の司法制度では、起訴されるとたいていは有罪判決が下される。「スパイ活動」や「国家機密漏えい」は、有罪になれば終身刑が科される恐れがある。(c)AFP