【3月20日 Xinhua News】中国の三峡ダム区(三峡ダムの建設で水没または長江水位が上昇したエリア)に位置する重慶市(Chongqing)涪陵区の白鶴梁水下博物館で15日、水中での清掃作業が行われた。潜水員が水深40メートルにある題字石刻を覆うドームに入り、水中の照明器具や通路の見学窓を清掃し、石刻に溜まった泥などを取り除いた。

 白鶴梁は長江南岸水中にある天然の石梁で、三峡ダムが建設される以前は冬の渇水期に姿を現すことから、古代より水位観測の目安となっていた。歴代の文人による題字が多く残されており、水中碑林の異名を持つ。過去1200年余りに起きた72回の渇水記録を残す貴重な文化財だったが、三峡ダムの完成により水位が40メートル上昇すると完全に水没した。

 博物館はこれらの題字を保護するために建設され、2009年に落成した。水中の題字石刻全体をドームで覆い、ドーム内外の水を循環させることで水圧を相殺する「無圧容器」の原理を用い、遺跡を泥砂や川流から守っている。来館者は長さ88メートルのエスカレーターで水深40メートルの水中通路まで下り、見学窓から題字を直接目にすることができる。(c)Xinhua News/AFPBB News