【3月19日 AFP】テニスの四大大会(グランドスラム)、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2021)を主催するオールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ(AELTC)は18日、新型コロナウイルスの予防対策として、伝統となっている行列によるチケット販売を今年は実施しない方針を明らかにした。

 英ロンドン南西部の緑豊かな場所で開催されるウィンブルドンでは、テニスファンが観戦チケットを手にすべく長蛇の列をつくるのがおなじみの光景となっている。大会では毎年多くの人々が前に並ぼうとして現地に泊まり込んでいるが、今年はチケットが例年とは違う方法で販売されることに加え、会場敷地内での再販も行われない見通しとなっている。

 主催者はコメント文で、「行列とチケット再販は、これからもこよなく愛され、ウィンブルドンの重要な慣例であり続ける。われわれは、これらが2022年に復活することを楽しみにしている」と述べた。

 社会的接触を法的に制限するロックダウン(都市封鎖)が解除される予定日の1週間後に当たる6月28日に開幕する今年のウィンブルドンは、大会期間中は人数を減らした上で観客を受け入れることを基準に計画を進めている一方で、6月から7月にかけて政府の規制がどうなろうとも、できるだけ柔軟に対応できるようにするとしている。

 昨年は第2次世界大戦(World War II)後では初の中止となったウィンブルドンは、大会のリスクを最小限に抑える決意を示している。AELTCのイアン・ヒューイット(Ian Hewitt)会長は、「よりノーマルな形で大会が復活できる兆しはあるものの、まだそこには到達していない」と述べた。

「計画に確実性をもたらすためにいくつか重要な決断を下している一方で、柔軟性を維持していくことが最も必要だ。これからも、できる限り最高の選手権を開催するという強い意志で、仕事を遂行していく」

 同クラブはさらに、来年からウィンブルドン・パーク(Wimbledon Park)の拡張工事を開始し、2028年までに敷地内で本戦出場を懸けた予選を開催できるようにする意向を明らかにした。(c)AFP