【3月19日 AFP】メキシコ当局は17日、ホンジュラスへ向かおうとしていた自家用機から、ロシア製の新型コロナウイルスワクチン「スプートニクV(Sputnik V)」とされる物品を押収したと発表した。ロシアはこのワクチンは偽物だと述べている。

 当局によると、南部カンペチェ(Campeche)州の空港で、自家用機に積載されていた2個の保冷容器から薬瓶1155本、接種回数5775回分の「ワクチン」が発見された。ホンジュラス人の乗員と搭乗者は検察当局に身柄を送致された。

 スプートニクVの開発に出資したロシアの政府系ファンド「ロシア直接投資基金(RDIF)」はメキシコ当局に謝意を表明。さらに「容器やラベルのデザインも含めて押収品の写真を分析したところ、本物とは全く無関係な偽物とみられる」と発表した。

 RDIFによると、本物のワクチンの瓶には個別番号が付いており、生産拠点を追跡できるようになっている。またこの偽物は、スプートニクVの「信用を落とすことを目的とした」可能性があると述べている。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による死者が約19万6000人と世界で3番目に多いメキシコは先月、スプートニクVの第1陣20万回分を受け取った。(c)AFP