■大発生は生存戦略

 コネティカット大学(University of Connecticut)のジョン・クーリー(John Cooley)助教授(生態系・進化生物学)は、セミ大発生には人々をいら立たせ、耳に不快な他には実害がないと指摘。「17年ごとのライフサイクル」は非常に正確に繰り返されていると説明する。

 このセミは、土壌の温度が17度前後でやや湿度の高い夕方に地上に出てきて、脱皮を始めるという。脱皮後は1週間ほど木陰でじっとしていて、それから繁殖活動を開始。交尾と産卵を終えるとすぐ、雄も雌も死ぬ。木に産み付けられた卵は6~8週間後にふ化し、幼虫は地中に潜って木の根から樹液を吸いながら17年間を過ごすのだ。

 何年も間隔を置いて膨大な数のセミが一度に出現するというのは、効果的な生存戦略だ。たとえばリスや鳥、アライグマ、犬などにむしゃむしゃ食べられてしまっても、犠牲をはるかに超える数のセミが生き延びることができる。

 クーリー氏によると、今年の春に地上に出てくるセミは「数十億匹から数兆匹」に上るとみられている。

 新型コロナウイルスの大流行に伴う外出制限で、この1年間のほとんどを屋内に引きこもって耐えてきた人々にとっては待ちかねた美しい春の訪れだが、騒々しく鳴くおびただしいセミの大群に囲まれては、散歩やピクニックもあまり魅力的とはいえないかもしれない。(c)AFP/Inès BEL AIBA