【3月18日 AFP】東京五輪・パラリンピックで開閉会式の演出を統括するクリエーティブディレクターの佐々木宏(Hiroshi Sasaki)氏が18日、女性タレントの容姿を侮辱するような提案をしたとして辞任した。

 佐々木氏をめぐっては17日、人気コメディアンでプラスサイズモデルの渡辺直美(Naomi Watanabe)さんにブタの耳をつけ、「オリンピッグ」として登場させることを提案したと、週刊誌で報じられた。報道によれば、佐々木氏は昨年、グループチャット内で問題の提案をし、同僚には不適切だとして即座に却下されたという。

 これを受け、佐々木氏は18日未明に辞意を表明し、自身の提案は不適切だったとして渡辺さんに謝罪した。

 渡辺さんも所属事務所を通じてコメントを発表し、「驚いている」と述べた。渡辺さんは「私自身はこの体型で幸せ」と話し、「それぞれを尊重」し合える世界を求めた。

 先日には東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(Tokyo Organising Committee of the Olympic and Paralympic Games)の森喜朗(Yoshiro Mori)会長が辞任したばかりで、国民の信頼を得られずに苦しむ大会にとっては、新たな頭痛の種となっている。

 森前会長の後任に就任した橋本聖子(Seiko Hashimoto)会長は、この日記者会見を開き、佐々木氏の提案には「ショックを受けた」と話し、「容姿を笑いものにするような発言は大変不適切だ」とコメントした。会長は、佐々木氏の後任を早急に決定するとしている。

 国際オリンピック委員会(IOC)にも報告したという橋本会長は、IOCも心配していたと明かし、「このような出来事はあってはならない」と述べた。

 映像前半は佐々木氏の資料映像、2018年7月撮影。後半は記者会見を開いた橋本会長ら、18日撮影・提供。(c)AFP/Kyoko HASEGAWA, Sara HUSSEIN