【3月17日 AFP】米製薬大手モデルナ(Moderna)は、12歳未満の子ども数千人を対象に、新型コロナウイルスワクチンの臨床試験を開始したと発表した。新型ウイルスの流行終息に、子どもの集団接種が必要になる可能性があるためだという。

 子どもは通常、新型ウイルスに感染しても重症化することはほとんどない。米国の人口3億3000万人の約5分の1が18歳未満で、そのうち数百万人がこれまでに感染している。

 米国小児科学会(American Academy of PediatricsAAP)のリー・サビオ・ビアース(Lee Savio Beers)会長はAFPに対し、「もし本当に集団免疫を獲得したいのなら、人口の約80%がワクチン接種を受ける必要がある。子どもの接種なしでは達成できない」と説明した。

 モデルナの2回接種ワクチンは、18歳以上を対象に承認されている。12歳以上18歳未満を対象にした臨床試験も既に進められており、6月までに終了する予定。

 新たな臨床試験は生後6か月以上12歳未満が対象で、6750人の参加を目指している。

 米ファイザー(Pfizer)製のワクチンは16歳以上を対象に承認されている。同社と米医薬品大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は現在、10代を対象にした臨床試験をそれぞれ行っている。一方、英アストラゼネカ(AstraZeneca)は6歳以上の子どもを対象に臨床試験を進めている。(c)AFP/Issam Ahmed and Lucie Aubourg