【3月17日 AFP】国連(UN)は16日、ミャンマーでは先月1日に発生したクーデター以降、デモ弾圧による死者の急増や被拘束者への拷問に加え、数百人が治安当局に連行され行方不明になっているとして、軍事政権を強く非難した。

 国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のラビナ・シャムダサニ(Ravina Shamdasani)報道官は記者団に対し、同事務所が公式に把握している2月1日以降の死者数は149人だが、実際はそれよりもはるかに多いのは確実だと語った。

 人権監視団体「政治囚支援協会(AAPP)」によると、14日だけで74人が死亡するなど、クーデター以降の死者数は180人以上に上っている。

 シャムダサニ氏によると、治安部隊によって恣意(しい)的に逮捕され、現在も身柄を拘束されている市民は少なくとも2084人に上る。同氏は「ここ数週間で少なくとも5人が拘束下で死亡した」とし、「少なくとも2人の遺体に、拷問されたことを示す、ひどい身体的虐待の痕があった」と述べた。

 同氏は、不法に拘束された人のうち数百人が行方不明になっており、軍当局も拘束の事実を認めておらず、これらのケースは国家機関などが人の自由を奪う「強制失踪」に当たると述べた。

 ミャンマーでは、治安部隊が国際社会の求めに応じず、反クーデターデモの参加者に対して殺傷力のある武器を用いた弾圧をエスカレートさせている。(c)AFP