【3月16日 AFP】(更新)血栓症への懸念から一部の国々が接種を一時停止した英製薬大手アストラゼネカ(AstraZeneca)製の新型コロナウイルスワクチンについて、欧州医薬品庁(EMA)は16日、有用性を依然「強く確信している」と表明した。

 EMAのエマー・クック(Emer Cooke)長官はオンラインで行われた記者会見で「新型コロナウイルス感染症の予防におけるアストラゼネカ製ワクチンの有用性を、われわれは引き続き強く確信している。同感染症に関連する入院と死亡のリスクの方が、これらの副反応のリスクを上回っている」と述べた。

 また、「ワクチン接種がこれらの症状を引き起こしたことを示すものは今のところない」とした上で、EMAは現在「すべてのワクチンに関連した有害事象について調べている」とも説明した。

 世界保健機関(WHO)とEMAは同日、同ワクチンを協議する会合を個別に開いた。EMAは18日に協議の結果を公表する予定だ。

 アストラゼネカ製ワクチンの接種を見合わせているフランスとイタリアは、EMAの見解を歓迎。エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領とマリオ・ドラギ(Mario Draghi)伊首相は共同声明を出し、「EMAによるきょうの暫定発表は有望なものだ」と述べた。(c)AFP