【3月17日 Xinhua News】中国古生物学会は12日、江蘇省(Jiangsu)南京市(Nanjing)で2020年度の「中国古生物学十大成果」を発表した。中国科学院や西北大学、中国地質大学武漢校、中山大学などが主導した研究成果が選ばれた。

 十大成果は次の通り。

 ▽基幹動物の聴覚器官とそしゃく器官のモジュラー進化の分岐点。

 ▽古ゲノムが示す中国の南方人と北方人の集団移動と混合の歴史。

 ▽澄江動物群「章氏麒麟蝦(キリンシア、Kylinxia zhangi)」の発見が説き明かす節足動物の起源。

 ▽澄江動物群の本質的価値:動物界の形成と人類の基本器官の誕生。

 ▽カンブリア爆発時期の盗み寄生の関係を示す最古の化石。

 ▽青海チベット高原中部における中期始新世湿潤低地の亜熱帯「シャングリラ」生態系。

 ▽三畳紀からジュラ紀にかけての気候変動と森林火災:中国華南地区の化石証拠。

 ▽白亜紀の琥珀(こはく)が示す昆虫と貝虫の初期進化。

 ▽ペルム紀から三畳紀にかけての大量絶滅が生物の古地理分布に及ぼした影響。

 ▽環南中国海地区の堆積環境の変遷と先史稲作の拡大。

 これらの研究成果は古脊椎動物学や古生態学など多岐の分野に及び、その大半が国際的学術誌「サイエンス」「ネーチャー」などに掲載された。

「古ゲノムが示す中国の南方人と北方人の集団移動と混合の歴史」の研究では、中国の南方地域と北方地域に居住していた古代人集団に対し、タイムスパンが最も長く、大規模かつ体系的な古ゲノムの研究を初めて実施。9500年前以降の中国人の南北分化の過程や主体の連続性、移動と融合の歴史を明らかにしたほか、研究により初めて取得された中国南方大陸人集団の核ゲノムは関連地域の空白を埋めた。

 中国古生物学会は1929年に発足した国内で最も古い自然科学学術団体の一つで、2017年から毎年「中国古生物学十大成果」を選出し、発表している。(c)Xinhua News/AFPBB News