【3月15日 AFP】フランスとノルウェーの考古学者チームが、エジプトの西方砂漠(Western Desert)で5世紀のキリスト教修道院の遺跡を発見した。エジプト観光・考古省が13日に発表した。

 西方砂漠のバハレイヤ・オアシス(Bahariya Oasis)に位置するタル・ガヌーブ・カスル・アゴウズ(Tal Ganoub Qasr al-Agouz)遺跡における第3次発掘調査で、複数の建物から成る遺跡群が出土した。建物は玄武岩でできたもの、岩盤に掘られたもの、泥れんが造りのものがあるという。

 観光・考古省イスラム・コプト・ユダヤ考古学部門の責任者を務めるオサマ・タラート(Osama Talaat)氏によると、この遺跡は「三つの教会と修道士用の個室を含む六つの区域」で構成され、壁にはコプト教を意味する絵やシンボルが描かれている。

 発掘を率いたビクトル・ギカ(Victor Ghica)氏によると同じ遺跡では昨年、「岩盤に掘られた19の建物と教会一つ」が発見されていた。その教会の壁はギリシャ語で書かれた「宗教的な銘文」や聖書の言葉で飾られ、「この地域の修道院生活の性格」を明らかにするものだった。

 エジプトのこの地域で5世紀には修道士がいたことをはっきり示す発見であり、「建築物の発展と初期の修道院共同体の形成」に関する理解が促進されたという。(c)AFP