【3月15日 People’s Daily】中国初の火星探査任務を担う「天問1号(Tianwen-1)」探査機が北京時間2月24日午前6時29分、3回目の火星接近制動に成功し、火星の停泊軌道に入った。探査機は停泊軌道で約3か月間運行し、科学探査を行う。これまで「天問1号」探査機は北京時間2月10日に、火星軌道に到達し、中国初の人工火星衛星になっていた。

「天問1号」探査機が2020年7月23日、火星に向けて飛行する旅に足を踏み入れた。4億7500万キロの飛行を経ての「宇宙ブレーキ」、さらに火星を周回することに成功した。複数の重要なプロセスの成功により、中国の火星探査任務のより強固な基礎を築いた。

 惑星探査の最優先目標として、火星は人類が地球外生命と宇宙の神秘を探求する夢を担っている。「天問1号」探査機の打ち上げ成功は、中国が惑星探査を独自に行うため踏み出した第一歩であり、中国人がより遠い宇宙の深淵に向かって進むための重要な一歩でもある。数百キロもの高度にある宇宙ステーションの建設への注力から、38万キロ以上の遠くの月の探査、さらに数億キロの星間の旅を経た火星との出会いに至るまで、中国の宇宙飛行の歩みは一歩一歩着実に進み、宇宙のさらなる深淵への探査の目標の実現を徹底し継続するための努力を心に刻んでいる。

「宇宙ブレーキ」のチャンスは1回しかない。「天問1号」の順調な到達は、中国宇宙飛行関係者の技術能力、そして、ハイリスク下でのイノベーションの志を示している。宇宙活動はチャレンジに富むことで有名で、特に惑星探査は、リスク・難度共に高いという特徴がある。1960年代に始まった火星探査活動の成功率は、これまでのところ半分程度しかなかった。26か月に1度しか火星に行けない、ややもすれば億キロ単位の距離、超遠距離通信によるタイム・ディレイ、地球とはまったく違う複雑で不慣れな環境などに加え、さまざまな未知な危険といった課題を、一連の技術イノベーションによって解決する必要がある。この過程で、探査機が地球を飛び出し、宇宙に駐留し、月を探査するなど一連の技術の積み重ね、火星、ひいては宇宙の深淵部への探査のために技術的基礎を築いた。新しい課題・チャレンジに応じて絶えず構想・技術を革新することは、宇宙飛行技術、宇宙空間科学などの分野でのイノベーション推進に新しい道を切り開いた。

 地球を飛び出し、宇宙の深淵部に向かって進む壮挙は、好奇心に駆られ、人類自身の発展ニーズにけん引されると同時に、自主的イノベーションの推進も不可欠となる。「天問1号」から科学技術イノベーションを見た。月探査機「嫦娥5号」の月でのサンプリングからの帰還から、中国宇宙ステーションの建設・初飛行の成功に至るまで。有人潜水船「奮闘者」号の1万909メートルの中国有人深潜新記録の達成から、量子コンピューター「九章」の「量子優越性」の実現に至るまで。心を奮い立たせる一つ一つの躍進、更新される一つ一つの記録、驚嘆させる一つ一つの業績は、中国科学技術の絶え間ない進歩を記録している。これらのすべては、イノベーションの決心・勇気を持って、中国の特色ある自主的イノベーションの道を歩む志を立てれば、重要分野の核心技術を掌握し、科学技術の自立自強で質の高い発展を支えられることを立証できる。(c)People’s Daily/AFPBB News