【3月15日 People’s Daily】先日に開催された第6回中国工業大賞発表会において、山西太鋼ステンレス精密帯鋼が独自開発した世界で最も薄いステンレス箔「手で裂けるステンレス」が選ばれ、大賞を受賞した。

 明らかに一巻きのステンレス材にもかかわらず、広げたらセミの羽のように薄く、手で簡単に裂くことができる。「手で裂けるステンレス」とは、幅広の超薄精密ステンレスだ。中国はこれまで長期にわたり、このような重要な新興分野で至急の導入が必要とされるハイレベルかつ精密で先端的な基礎材料の生産能力が未整備で、高額で輸入する他ないという苦境に立たされていた。1グラムを輸入するには数百元が必要となる。ここ数年、宇宙、原子力発電、新エネルギーなどの新興産業が急速に発展するにつれ、国内市場で同製品に対するニーズが絶え間なく高まっている。キーテクノロジーを他国に握られることによる需給の矛盾が日増しに顕著になっている。このような背景の中、中国国産の「手で裂けるステンレス」の登場は、産業チェーンの不足を補い、効果的に生産コストを低減させ、関連分野における中国の自主コントロール能力を向上させた。

 厚さは普通の印刷紙のわずか4分の1のステンレス材を独自生産するため、同社の太鋼技術チームは十数年にわたり開発研究をし続けた。その中で、700回以上の試験を行い、170以上の設備課題、450以上の工法課題を克服し、やっと0.02ミリのステンレス箔の開発にまでこぎつけた。2020年には、同チームは新たに圧延などの工法の限界を破り、厚さ0.015ミリの「手で裂けるステンレス」を生産し、新エネルギー車のバッテリーの製造にも活用できるようになった。このような根気強さ、困難によって培われた意思と精神により、企業の華麗なモデル転換・アップグレードが可能となった。

 科学技術イノベーションを出発点として供給品質を向上させることは、山西太鋼、ひいては鉄鋼業全体が予想以上の成長を実現する重要な経験だ。データによると、2020年の中国の重点統計対象となっている鉄鋼企業の売上高は4兆7033億元(約78兆7800億円)で、前年同期比10.86%の伸びだ。過剰生産能力の調整の一時的な困難を経験した上、中国鉄鋼業が新型コロナウイルスの打撃に耐えられたのは、完備された産業チェーンの優位のみならず、川上・川下企業の革新的な協力によるものでもある。感染対策中の不利な経済状況にありながら、「手で裂けるステンレス」、高品質軸受鋼、歯車鋼などの新製品の売上高は上昇し、利用者の新たなニーズに応え続け、鉄鋼の生産能力を安定させるとともに、市場空間を広げ、鉄鋼工業の発展の安定にも寄与した。

 今日の中国は、世界一の製造大国としての地位がいっそう強固となった。2019年の製造業の増加値は全世界の28.1%を占め、2020年に全国の一定規模以上の工業企業が前年同期比4.1%増の利益を実現した。また、「第13次5か年計画」期間、国家製造業イノベーションセンター10あまりの建設を承認・開始した。こうしたデータの1つ1つは、中国が製造強国の建設を加速させる十分な底力と強い自信となった。(c)People’s Daily/AFPBB News