【3月14日 AFP】スリランカ政府は13日、議論を呼んでいる反テロ法について、宗教的過激派の取り締まりに適用すると共に、「脱急進化」のため容疑者を最長2年拘束できるとする広範囲な権限を政府に付与すると発表した。

 これとは別に、イスラム過激派の犯行とみられる2019年の爆発事件以降、一時的に禁止されていたイスラム教徒の女性が着用するベール「ブルカ」の着用を正式に禁止する方針も明らかにした。

 ゴタバヤ・ラジャパクサ(Gotabaya Rajapaksa)大統領は、テロ対策法は「暴力行為や、宗教、人種、共同体間の不調和、異なる共同体間の憎悪や敵意」を引き起こす疑いのある者の拘束を認めるものだと説明した。

 サラス・ウィーラセケラ(Sarath Weerasekera)公安相は13日、コロンボ(Colombo)で記者団に対し、全身を覆うブルカは「わが国の安全保障に直接影響を及ぼすもの」であり、「最近になってスリランカに入ってきたもので、宗教的な過激思想の象徴だ」とコメント。ブルカ着用を禁止する文書に署名したと発表した。ただし法案の成立には、閣議と大統領支持派が3分の2を占める議会で承認を得る必要がある。

 スリランカでは2019年4月、三つの教会が標的となり、279人が死亡したイスラム過激派の犯行とされる連続爆破事件が発生。直後の非常事態宣言下でブルカの着用が一時的に禁止された。

 この事件以降、スリランカでは少数派のイスラム教徒と多数派の仏教徒間の緊張が再び高まり、観光業に依存する同国経済も深刻な打撃を受けた。(c)AFP