【3月13日 AFP】世界における双子の出生数は「過去最多」だとする研究論文が12日、発表された。主な要因の一つは生殖補助医療技術だという。

 英学術誌「ヒューマン・リプロダクション(Human Reproduction)」に掲載された論文によると、毎年約160万組の双子が生まれており、約40年前と比較すると、約30%増となっている。

「世界の双子の数は相対的にも絶対的にも、20世紀半ば以降で最も多く、おそらく過去最多とみられる」と、論文の筆頭著者である英オックスフォード大学(University of Oxford)のクリスティアン・モンデン(Christiaan Monden)教授は述べている。

 研究チームによると、多胎児の出生数が大幅に増加した主因は、特に欧米の先進国で1970年代以降に生殖補助医療技術が発達したことが挙げられる。さらに、母親の出産年齢が上がっていることも要因の一つとされる。

 研究チームは、世界人口の99%を占める165か国の2010〜2015年のデータを収集した。このうち、1980〜1985年の双子の出生率のデータも入手できた112か国で時間経過に伴う変化を追跡したところ、4分の3の国々で、双子の出生率が少なくとも10%増加。アジアでは32%増、北米では71%増となっていた。

 世界中の一卵性双生児の数は、出産1000件当たり約4組で大きな変化はなく、双子の記録的な増加に寄与しているのは二卵性双生児の出生のみだと研究者らは指摘している。

 ただし、双子の出生率が今後も上昇し続けるかどうかを予測するのは難しいという。(c)AFP/Marlowe HOOD