【3月14日 Xinhua News】中国でかつて特別貧困地区に指定されていた青海省(Qinghai)海東市(Haidong)互助トゥ族自治県では、トゥ族伝統の刺しゅう技法「盤繍(しゅう)」が貧困からの脱却に重要な役割を果たした。

 民族文化の産業化を推進する地元企業、青海素隆姑文化旅游産業開発が2015年に県内の各郷・鎮・村に貧困支援のための作業場を設立。農村女性2千人を雇用して、伝統の刺しゅう技法を生かした作品作りを行っている。繁忙期のみの短期雇用を含め、これまでの雇用実績は1万5千人に上る。

 同社の蘇暁莉(Su Xiaoli)董事長が中心となってデザインしたアクセサリーやバッグ、刺しゅう画、置物などは800種類を超える。ここ数年、オンラインストアや実店舗での販売に加え、韓国や日本、東南アジア市場にも輸出されるようになった。

 現在、省内で刺しゅう産業に従事する人は30万人に上る。各民族に伝わる刺しゅう技法は、農牧民や都市に暮らす人々にとって、職住接近で豊かな生活と収入増を実現する重要な道筋の一つとなっている。(c)Xinhua News/AFPBB News