【3月12日 AFP】中国高官は12日、香港の選挙制度変更と国家安全維持法(国安法)の施行は、混乱を鎮めるための「コンビネーションパンチ」だと発言した。

 香港では2019年、中国本土に容疑者の身柄引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案をきっかけに、中国政府によって自由が奪われることに抗議する民主派デモが発生。中国は反対派に対する弾圧を強め、国安法違反によって活動家数十人を逮捕した。

 全国人民代表大会(National People's Congress、全人代、国会に相当)は11日、香港立法会(議会)の選挙制度を全面的に変更する議案を可決した。特定の候補者に対する中国の拒否権などが盛り込まれている。

 国務院・香港マカオ事務弁公室(Hong Kong and Macau Office of the State Council)の張暁明(Zhang Xiaoming)副主任は12日の会見で、ここ数年の「混乱」は、香港の選挙制度に「明らかに抜け穴と欠陥があること」を示していると説明した。

 張氏は、国安法と選挙制度変更は進行中の混乱に効果的に対処するための「コンビネーションパンチ」だと述べた。暴力をもって権力を奪う者、政権の転覆をたくらむ者、干渉する者には反撃すると続け、「この問題において、譲歩の余地はない」と強調した。(c)AFP