【3月12日 AFP】世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)を宣言してから1年が経過した11日、国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)は声明を出し、教育や貧困、児童婚やうつといった子どもたちに関わる問題のあらゆる指標で悪化が見られ、世代全体への悪影響の長期化が示唆されていると警鐘を鳴らした。

 ユニセフのヘンリエッタ・フォア(Henrietta Fore)事務局長は声明の中で、「飢餓状態にあり、孤立し、虐待を受け、不安を抱え、貧困の中で生活し、結婚を強いられている子どもの数が増えている」と指摘した。

 子どもの貧困率は、発展途上国では15%上昇する見通し。教育面では、世界中の学齢期の子ども1億6800万人が1年近く学校閉鎖の影響を受けており、その3分の1がオンライン教育を受けることができていない。

 児童婚の問題では、以前は2030年までに少女1億人の結婚のリスクが心配されていたが、パンデミックに伴う学校閉鎖と経済状況の悪化で、さらに1000万人の子どもが結婚を余儀なくされる恐れがあるとみられている。

 また子どもや若者の少なくとも7人に1人が、過去1年の大半をロックダウン(都市封鎖)下で過ごしており、不安やうつの症状、孤独感が強まっている。

 フォア事務局長は、「教育や社会交流の他、保健や食料支援、保護といった必要不可欠なサービスを子どもが受ける機会は減っている。子どもたちが今後何年にもわたりパンデミックの傷を負うという兆しは紛れもないものだ」と警告した。(c)AFP