【3月12日 Xinhua News】中国のホテル業界は、新型コロナウイルスの感染症拡大を契機に、ロボットやスマートシステムといった科学技術の導入を進め、ロビーなど公共エリアにおける顧客の待ち時間を大幅に短縮させ、人との接触シーンを減らし、利便性と安心感を高める店舗が増えている。

 中国ホテル運営大手、華住酒店集団傘下の全季酒店 (ジーホテル)の沈怡均(Shen Yijun)最高経営責任者(CEO)によると、今年の春節(旧正月、Lunar New Year)7連休(2月11~17日)に、全国のチェーンホテル515軒で稼働した配送サービス用ロボットの配達回数は延べ2万7千回を超え、最も多いホテルでは271回に上った。また、非接触型のチェックイン、チェックアウトサービスを提供するスマート端末「華掌柜」の利用は26万回以上となり、利用率はチェックインが90%に迫り、チェックアウトは56%を上回った。

 このほか、ホテル運営や旅行業務を手がける緑地酒店旅遊集団傘下の一部ホテルでも春節の7連休中、セルフサービスのチェックインや料理を部屋に届けるなどの非接触型サービスを提供した。

 中国のホテル業界はここ数年、科学技術をいかに経営マネジメントに導入して経営効率を向上させるかについて、また、顧客により安全で快適な宿泊体験を提供するかについて、模索を続けている。

 雲南省(Yunnan)大理市(Dali)はこのほど、中国電子商取引(EC)大手アリババグループ傘下の阿里雲(アリババクラウド)と、文化旅行のデジタル化で提携すると発表した。阿里雲は、人工知能(AI)のアルゴリズムとモノのインターネット(IoT)機器を使い、市内ホテルのスマート化を目指す。観光客にAIやIoTを駆使した客室滞在やロボット配送を体験してもらうほか、マネジメントや収益の効率化を実現する。

 業界は、情景認識AIやサービスロボット、音声認識などのスマート技術が文化旅行業に導入されれば、デジタル経済の新業態がさらに多く生まれると予想している。(c)Xinhua News/AFPBB News