【3月11日 AFP】インド北部ウッタラカンド(Uttarakhand)州ハリドワール(Haridwar)で11日、新型コロナウイルスの脅威は意に介さず、数十万人のヒンズー教巡礼者がガンジス(Ganges)川に押し寄せ、沐浴(もくよく)をした。

 11日は、ヒンズー教の大祭「クンブメーラ(Kumbh Mela)」の、縁起がいい沐浴日の一つ「マハ・シバラトリ(Maha Shivaratri)」に当たっている。ハリドワール当局によると、250万人の人出が見込まれるという。

 ヒマラヤ山脈(Himalayas)の麓にある聖地ハリドワールのガンジス川の岸辺は夜明け前、沐浴の場所を確保しようと老若男女が、数キロにわたりひしめき合っていた。巡礼者らは流れの速い川に身を沈めると祝詞を唱え、花を散らした。

 体に灰を塗りつけた全裸の聖人、ナガ・サドゥー(Naga Sadhus)数百人が現れると、沐浴は最高潮に達した。

 新型コロナの影響で、インド政府は複数の都市で定期的に開催されるクンブメーラの規模を縮小している他、巡礼者には新型コロナの陰性証明書を取得するよう求めている。

 ハリドワール当局は、マスク着用とソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)を呼び掛けており、数百人のボランティアが巡礼者らに消毒液をかけている。

 だが、インドではここ数か月、新型コロナの感染者が急減し、日常生活がほぼ戻ってきている。このため、実際にはマスクをしている人はごくまれだ。

 巡礼者のニテーシュ・クマール(Nitesh Kumar)さん(31)はAFPに対し「新型コロナの流行は恐れていないし、みんな自由に動き回っている。インドはすでに新型コロナに打ち勝った。何も心配すべきことはない」と語った。(c)AFP/Jalees ANDRABI