【3月11日 Xinhua News】中国のインターネット検索大手、百度(バイドゥ、Baidu)が9日、香港証券取引所から上場を承認されたことが分かった。投資家向け説明会も既に始まっているもよう。今月中にも新規株式公開(IPO)を実施し、最大50億ドル(1ドル=109円)を調達するとみられている。

 香港証取が公開した目論見書によると、百度は自社を「強大なインターネット基盤を備えた人工知能(AI)の先進企業」と位置づけ、特許や研究開発、事業、ビジネスモデルなど、AIに関連する記述は400カ所近い。検索機能向上や資金の流動性確保を目的に2010年からAI関連投資を続けているほか、自社開発したAI「百度大脳(バイドゥブレーン)」を活用した新事業の開発も進めている。

 AI関連の特許件数と特許出願件数は20年10月30日時点で、国内最多を誇る。同12月末時点で、自社開発した深層学習用フレームワーク「パドルパドル」は利用者総数が中国最多となり、世界でもフェイスブックのパイトーチに次ぐ2位となった。

 目論見書によると、20年の売上高は1071億元(1元=約17円)、純利益は225億元と19年の21億元から大幅に増えた。20年第4四半期(10~12月)は売上高が303億元、純利益(非米国会計基準ベース)が69億元と、4四半期連続で市場予想を超えた。

 IPOで調達した資金はAI関連事業に充てるとしている。特にスマート電気自動車(EV)の研究開発への投資や量産化に力を入れるほか、自動運転タクシー「アポロ・ロボタクシー」の台数も増やしていく方針を示している。(c)Xinhua News/AFPBB News