【3月11日 AFP】アルゼンチン・ブエノスアイレスで10日、昨年11月に亡くなったサッカー元同国代表のレジェンド、ディエゴ・マラドーナ(Diego Maradona)氏のための正義を求め、ファン数百人がデモを行った。同氏の死をめぐっては、現在捜査が行われている。

 抗議デモに参加した44歳の男性は、「マラドーナは見殺しにされた。こんなの間違っている。われわれアルゼンチン国民に本当に多くのものを与えてくれた人間があのような終わり方をするのはおかしい」とAFPに語った。

「10M」と称されたデモは、「ディエゴに正義を。彼は死んだのではない。殺されたのだ」というスローガンの下、マラドーナ氏の複数のファングループによってSNS上で組織された。

 この日のデモには、マラドーナ氏の娘2人のほか、8歳の末っ子の姿もあったが、緊張感が高まる中で現地を離れた。

 一部にはマラドーナ氏の代理人を務めたマティアス・モルラ(Matias Morla)氏を殺すと大声で脅迫するファンもいた。モルラ氏は、マラドーナ氏の死の直前に治療に当たった医療チームを任命したとみられている。

 マラドーナ氏は、血腫を摘出する脳手術を受けた数週間後の昨年11月25日、心臓発作のため60歳で死去した。

 当局は過失致死で裁判にかけるか判断するため、マラドーナ氏が生前に受けた治療行為について捜査しており、精神科医のアグスティナ・コサチョフ(Agustina Cosachov)氏と主治医のレオポルド・ルケ(Leopoldo Luque)氏のほか、心理士1人と看護師2人、医療コーディネーター1人が捜査対象になっている。

 映像はマラドーナ氏の娘らも参加したデモ。ブエノスアイレスで10日撮影。(c)AFP