【3月11日 AFP】英国で最初に確認され世界に広がった新型コロナウイルスの変異株は、致死率が従来株に比べ64%高いとする論文が10日、英医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)に発表された。

 英エクセター大学(University of Exeter)などの研究チームは、英国で昨年10月から今年1月までの期間に病院以外の検査所や自宅で新型コロナウイルス検査を受けて陽性になった約5万5000人について、28日間にわたり追跡調査を実施。年齢や性別、人種などの要素を考慮した上で、データを比較した。

 結果、英国で確認された変異株B.1.1.7の致死率は1000人当たり4.1人で、従来株の1000人当たり2.5人と比べ64%高かった。病院以外での検査では低リスクの感染者が検出される割合が多いが、研究チームは、今回の分析結果がほかの人々にも当てはまるとすれば、英変異株が従来株と比べ「相当の追加死者を生む可能性がある」としている。

 英レディング大学(University of Reading)細胞微生物学のサイモン・クラーク(Simon Clarke)准教授は、英変異株は致死率が高いことに加え感染拡大ペースも速いため、「医療体制と政策立案者にとって重大な課題となっている」と指摘した。(c)AFP/Kelly MACNAMARA