【3月10日 AFP】英国のヘンリー王子(Prince Harry)と妻メーガン妃(Meghan, Duchess of Sussex)が王室内での人種差別を告発した問題で、王室が出した声明は、夫妻の発言をそのまま受け入れる意向はない構えを示すものであり、夫妻の告発に対して「反撃」に乗り出した形となった。

 オプラ・ウィンフリー(Oprah Winfrey)氏によるヘンリー王子夫妻のインタビューを受け、バッキンガム宮殿(Buckingham Palace)は9日、エリザベス女王(Queen Elizabeth II)の代理として声明を発表。「ヘンリー、メーガン、アーチー(Archie)は今後も、非常に愛される王室メンバーの一員であり続ける」と、夫妻への融和的な姿勢を示した。

 声明は、人種差別の疑惑については「懸念すべきもの」であり「極めて真剣に受け止められている」とする一方で、「回想の中には一部異なるものがある」と指摘。ある王室メンバーがアーチーちゃんの肌の色の濃さを懸念したと夫妻が断言していることについての調査実施を表明し、疑惑は「王室により内密に対処される」と述べた。

 高級紙デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)は、声明で各人の記憶にずれがあり得ると言及されていることから、アーチーちゃんの肌の色を懸念した人物が誰であるかはすでに特定されている可能性があると指摘。とはいえ、この声明が「本件に対する女王陛下の最後の言葉になるとみられる」とし、国民にこれ以上の情報が公表される可能性は低いと伝えた。

 一方で大衆紙サン(Sun)は、ヘンリー王子の父チャールズ皇太子(Prince Charles)や兄ウィリアム王子(Prince William)をはじめとする王室主要メンバーとの「私的な会話」を通じて、女王がさらに詳しく調べていくことになると報じている。(c)AFP/Jitendra JOSHI and Anna MALPAS