■「何だってできる」

 これで自信を得たジョシは、家族のサポートを得ながらいっそう練習に励み、2016年にはソフトウエアエンジニアの仕事も辞めてバドミントンに専念するようになった。2年後にはハイデラバード(Hyderabad)にある代表コーチのアカデミーに加入し、インド代表に選出されるようになった。

 そして2019年には、パラバドミントン世界選手権(2019 BWF Para-Badminton World Championships)の女子シングルスで金メダルを獲得し、世界バドミントン選手権大会(TOTAL BWF World Championships 2019)を制したプサルラ・シンドゥ(Pusarla V. Sindhu)と共に、インド女子バドミントンの飛躍の一年に貢献した。

 2020年にはタイム誌のアジア版で表紙を飾り、「新世代」のグローバルリーダー8人の一人として特集された。国際ガールズデーの10月11日には、これまでの実績をたたえてバービー人形が作られた。

 ジョシは「そうしたことの一員になれたのが誇らしいし、何だってできると人々を勇気づけられたんじゃないかと思っている」と話し、障害のあるスポーツ選手の実績が改めて評価されてきていることを指して「全体的な流れが変わり始めている」と続けた。

 次に待ち受ける挑戦の舞台は、新型コロナウイルスの影響で1年延期になった東京パラリンピックだ。東京大会ではジョシが戦うシングルスのクラスがないため、混合ダブルスと女子ダブルスでの出場を目指している。

 現在は週に6日、ときには2部練習も組み込みながらトレーニングし、筋力とスタミナの強化に努めている。東京パラリンピックに向けた道のりでは、常に家族、特にコーチでもある弟のクンジャン(Kunjan Joshi)さんの姿がそばにある。

 ジョシは「私が(人生の)物語の筋書きそのものを書き換え、100パーセント全力を尽くせるよう、頑張ってくれている人たち」と話している。(c)AFP/Faisal KAMAL