【4月4日 AFP】時代と共に消えつつあるアフガニスタンのアンティークの手織りじゅうたんを追い求めるチャーリ・アラクル(Chari Allahqul)さん。高地の猛吹雪に耐え、時に武装強盗に痛めつけられ、反政府勢力との争いを避けながら、この仕事を続けてきた。

 じゅうたんハンターらは、数週間、時には数か月かけて、かつて隊商が進んだ街道沿いの村を探偵のように巡る。遊牧民を相手に現金払い、または現代的な商品との物々交換で、多種多様なじゅうたんを集める。

 その旅は危険も多い。

 子どもの頃からじゅうたん探しを始めたアラクルさん。国内北部の険しい荒地の奥深くまで入り、じゅうたんを探し回る。多くの場合、馬の背にまたがり、ロバ数頭を引き連れる。

「道中は危険だ。オオカミはたくさんいるし、敵も多い。森や砂漠で寝泊まりすることもある」と言う。頑強なシープドッグが夜の護衛役だ。

 武装した男らにライフル銃で殴られ、2週間の傷を負ったこともある。男らは現金目当てで、古ぼけた不用品と見なしたじゅうたんには見向きもしなかったとアラクルさんは笑った。

 父親から、オオカミに食い殺された知人の話を聞かされたこともあるという。買い付けの旅の途中、知人は吹雪で立ち往生し、その後「靴とじゅうたんだけが見つかったそうだ」と、アラクルさんは言って肩をすくめた。

 アフガニスタンのじゅうたん地帯は、北部のクンドゥズ(Kunduz)からウズベキスタンやトルクメニスタンとの国境沿いに西へ延び、イランとの国境地帯を南下する。この地帯で、遊牧民の少数の集団が何世紀もじゅうたん作りの技巧を継承してきた。

 辺ぴな村を一軒一軒回りながらアラクルさんが値切り交渉をするじゅうたんは、女性が結婚する際に家族が手で織り、婚家に持参させたものだ。

 最も珍重されるじゅうたんは数十年前に作られたものが多く、遊牧民ごとに異なる模様が手紡ぎの羊毛で編まれている。染料は、木の根、ハーブ、花弁など地元の原料が調合されている。