【3月9日 CNS】中国でオンライン教育が普及する中、顧客を獲得するため広告合戦が過熱している。主要なオンライン教育プラットフォームの財務報告によると、昨年2~11月の10か月間に有名なオンライン教育企業3社が投じた宣伝・営業費用は100億元(約1670億円)を超えた。

 オンライン教育各社は屋外広告やテレビCM、バラエティー番組の冠スポンサーといった従来の宣伝だけでなく、有名人や芸能人を広告塔に起用したり、テレビ番組の放映中に宣伝する「弾幕広告」を仕掛けたりしている。このほかオンライン教育の無料体験や割引キャンペーン、インターネットでユーザーに広告を送りつける「プッシュ型広告」なども繰り返し、営業合戦は収まる気配がない。

 巨額の資金を投入した宣伝攻勢は、顧客の獲得だけでなく、オンライン教育市場の寡占・独占を図る狙いがある。実際、資金力に劣る一部の企業が閉鎖し、業績が良好な企業も対抗措置として宣伝合戦への参入を余儀なくされている。関係者によると、ほとんどのオンライン教育企業は学生からの収入の50%以上を顧客獲得コストに費やしており、一部の企業は100%に達している。このため、教師の待遇や教育設備を充実させる費用が不足する恐れがある。

 オンライン教育業界も教育界の一員であれば、理性に基づく行動が求められる。「カネの力で全国を制覇する」という思考は教育とはほど遠いものだ。オンライン教育産業の健全な成長のために合理的な規制の策定が急務となっている。(c)CNS-北京青年報/JCM/AFPBB News