【3月8日 People’s Daily】上海洋山深水港では、ブリッジタワー作業員がモニターを見ながら、丁寧にコンテナ移動の作業を進めている。新型コロナウイルスの直撃を受け、2020年1月から4月には上海港のコンテナスループットは同期比8.4%落ち込み、人々を心配させた。現在、この世界最大の無人自動化ターミナルには、再び慌ただしい日常が戻ってきた。2020年、上海港のコンテナスループットは4350万TEU(20フィートコンテナ換算)に届き、きれいなV字回復を遂げた。

 上海だけでなく、寧波(Ningbo)から天津(Tianjin)まで、青島(Qingdao)から大連(Dalian)まで、中国の多くのコンテナターミナルでは同時に旭日昇天の勢いを呈している。海運だけでなく、陸運でも国際貿易はピークを迎えている。2020年、中国と欧州を結ぶ国際定期貨物列車「中欧班列」は年間1万本の大台に乗り、中国で生産された防疫物資や自動車部品、電子製品などを絶え間なく国外へ運んだ。

 海上運輸の大きなルートでは、ひとつひとつのコンテナに対外貿易への明るい兆しが見て取れ、中国経済の迅速な回復を示すシグナルとなっている。2020年、世界経済は深刻な後退局面に陥り、世界中で貨物貿易が同期比5.6%低下したが、中国貨物貿易輸出入総額は32.16兆元(約536兆7000億円)で過去最高となり、中国経済の強靱(きょうじん)と活力は突出していた。中国経済は試練に耐え、世界市場に復活への希望を与えた。

 対外貿易の強靱な復活には、国際物流へのサポートだけでなく、安定した産業構造とサプライチェーンが不可欠であった。例として輸出では、供給側が全力で対処し、上流から下流まで必死で働いて国際市場のニーズを根本的に保証した。例えば広東省(Guangdong)のある電気機器を扱う対外貿易企業はずっとフル稼働し、全ての従業員がハードに働き、板金や電子部品などのサプライヤーとして全力で貢献をした。超大規模な市場と完成された産業体系によって、中国は迅速に原材料供給の緊張状態を解決し、国内外の物流停滞などの問題も、産業や供給の各段階で確実に稼働を再開させ、対外貿易の安定へ向けた基礎を築いた。

 新型コロナウイルス感染拡大防止から戦略的成果を得て、各地で効率よく稼働再開が行われ、また輸出への税金還付機構を整え、対外貿易クレジットの増加など一連の政策によって対外貿易は安定したと言える。

 また、8年の協議を経て正式に、域内包括的経済連携(RCEP)協定が正式に調印された。拡大する対外開放の重要なプラットフォームとなるべく、RCEPは対外貿易の最適化を一歩進め、中国の自由貿易ネットワークをより実り多いものにするであろう。(c)People’s Daily/AFPBB News