【3月8日 AFP】中国の王毅(Wang Yi)外相は7日、香港の立法会(議会)選挙で特定の候補者を拒否する権限を中国政府に与える選挙制度見直し案について「合法、公正かつ合理的」と表明した。見直し案は香港の自由を侵害すると批判を受けていた。

 見直し案は、中国政府が香港の選挙候補者全員を審査できるようにする内容で、5日の全国人民代表大会(National People's Congress、全人代、国会に相当)の開会時に提出された。

 王外相は全人代に合わせて北京で開かれた記者会見で、提案された見直しが「香港の永続的な平和と安定を維持する」ために必要だと発言。2019年に香港で起きた大規模民主派デモが時に暴力的となったことを受け、見直し案が香港の「混乱から統治への移行」を促進するとし、「完全に合憲」と主張した。

 見直し案が出された前日には、昨年の全人代で可決された国家安全維持法(国安法)の下、香港の民主活動家数十人が勾留された。見直し案には国際社会から直ちに批判が上がり、米国と欧州連合(EU)は、英国による1997年の香港返還時に香港に与えられた自治の保障を中国が侵害していると主張した。(c)AFP