【3月8日 AFP】イランで体制転覆を企てたとして禁錮5年の判決を受け拘束されていた英国・イランの二重国籍の女性が7日、刑期を終えた。英政府は同日、女性の即時釈放を求めたが、女性には裁判所への出廷を命じる新たな召喚状が出ており、先行きは不透明だ。

 女性はナザニン・ザガリラトクリフ(Nazanin Zaghari-Ratcliffe)さん(42)。刑期の最後の数か月、自宅軟禁とされていたザガリラトクリフさんは、足首に着けられた監視装置が取り外された。これで以前よりも自由に移動ができ、首都テヘランに住む親戚を訪ねることができるようになった。ただザガリラトクリフさんには14日にイランの裁判所に出廷するよう命令が出ており、即時帰宅を望んでいた家族や友人、支持者らの望みはかなわなかった。

 ドミニク・ラーブ(Dominic Raab)英外相はザガリラトクリフさんの足首の装置が取り外されたことを歓迎したものの、イランによる扱いを「容認できない」と表明。ツイッター(Twitter)で「家族と再会するため、できるだけ早く英国に戻ることが認められなければならない」と訴えた。

 ザガリラトクリフさんは2016年の休暇中に拘束され、体制転覆を企てたとしてテヘランで有罪判決を受けたが、一貫して罪を否認している。拘束されていた5年間、ザガリラトクリフさんら二重国籍を持つ人の拘束は、英イラン間の外交問題の中心となっている。(c)AFP/Callum PATON