■「家族は私の顔を見ようとしない」

 マラムさんのマスクは透明で顔にぴったりと合うが、公園で指をさされるのが怖いという。マラムさんは恥ずかしそうに「マスクでやけどは良くなったけど、外で着けると笑われるから嫌だ」と話した。その代わりに「学校から帰ってきたらすぐに着ける」という。

 マラムさんは1日8時間マスクを着けている。母のイズディハルさんは1日16時間も着け、食事の時にしか外さない。4人の母であるイズディハルさんは「私も娘の傷もマスクのおかげで良くなった」と話し、今では火災の前と同じように家事ができているという。夜には別のマスクを着け、手のやけど用の特別な手袋も着けて寝る。

「買い物の後、タクシーを待っていると、突然大きな爆発音が聞こえ、気付けばどこもかしこも燃えていた」と当時を振り返った。

 2人は2か月間入院し、複数の手術を受けた。引きつれた肌を受け入れるのは簡単ではなかった。「事故後、家族は私の顔を見ようとしない」と話すイズディハルさんは、「医師が言うように、2~3年のうちに」傷が消えればいいと願っているという。

 映像は2月24日に取材したもの。(c)AFP/Mai Yaghi