【3月7日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)に住むマラム・アマウィ(Maram al-Amawi)さん(8)は学校から帰宅すると、やけどの治療の一環として顔全体を覆う3Dプリンター製のマスクを着ける。

 だが、マラムさんはからかわれたくないので外に遊びに行かない。

 約1年前、マラムさんと母のイズディハル(Izdihar al-Amawi)さん(31)はガザ中部ヌセイラット(Nuseirat)のパレスチナ人難民キャンプ内の製パン所で発生した火災に巻き込まれ、重度のやけどを負った。この火災で25人が死亡、数十人が負傷し、複数の店舗が焼けた。地元当局は、原因はガス漏れだとしている。

 現在、2人は国際医療援助団体「国境なき医師団(MSF)」が開発した透明なプラスチック製マスクを着けて暮らしている。マスクは顔に圧力をかけ、皮膚の治癒を促進する作用がある。

 3Dスキャナーで顔の型を取り、患者専用のマスクを作る。マスクは調節可能なストラップで頭に固定し、傷の程度に応じて6か月から1年ほど着ける必要がある。

 マスク・プロジェクトは昨年4月に始まり、ガザでは約20人にマスクが作られた。同様のプロジェクトはヨルダンやハイチでも行われている。