【3月6日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するウィリアムズ(Williams)は5日、2021年の新車を公開したが、予定していた拡張現実(AR)アプリの使用はハッカーから攻撃を受けて断念することを余儀なくされた。

 英国に拠点を置くウィリアムズは、ファンが自宅で新型マシンを投影できるようにすることを目指していたが、発表会のわずか1時間前に中止せざるを得なくなった。

 チームはコメント文で、「ウィリアムズ・レーシングは本日、ARアプリで2021年の新車『FW43B』を披露する計画だった。しかし、残念ながら発表会を前にアプリがハッキングされ、もはやそれが不可能となっている」と説明。さらに、「特にこの厳しい時期に、われわれはこの経験をファンと共有できることを心から楽しみにしていた。臨場感のある体験をファンに直接お届けするのは、残念ながらできなくなっている」と補足した。

 ウィリアムズのドライバーとして今季3年目を迎える英国出身のジョージ・ラッセル(George Russell)は、「すごく残念だ。事前にアプリを見たけれど、ファンの君たちにとって素晴らしい経験になるはずだった。誰がやったにせよ、本当にクールじゃない」と悔しさをにじませた。

 一方、1980年代から1990年代にかけて強豪チームとして名をはせたウィリアムズで、新たに最高経営責任者(CEO)に就任したヨースト・カピト(Jost Capito)氏も、古豪復活を視野に入れる中で初めてコメントを発表し、「ウィリアムズ・レーシングはこのスポーツを象徴する存在であり、ひたむきな決意に加え、革新、情熱、そして卓越したレース技術と勝利への絶対的な欲望を寄り合わせた固い結び付きで、名声を築き上げてきた」と語った。

「われわれは2021年のマシンのために新たなカラーリングをつくり上げた。これはわれわれの見事な過去を認識し、ウィリアムズのDNAの核となる精神、ドライブ、モチベーションを保持しつつも、未来を見据え、グリッドの前方に戻るという長期的な野心を示すものだ」 (c)AFP