【3月6日 AFP】軍事クーデターへの抗議デモが続くミャンマーで5日、新たにデモ参加者1人が撃たれて死亡した。国連(UN)のミャンマー担当特使は国連安全保障理事会(UN Security Council)に対し、同国国民の「必死の訴え」に耳を傾け、民政復帰に向けて迅速な行動を取るよう訴えた。

 軍当局によるデモ弾圧は激しさを増し、50人以上の死者を出す事態となっているが、人々はこの日も各地で街頭に繰り出して、先月1日に起きたクーデターに抗議。医療当局者らがAFPに明らかにしたところによると、同国第2の都市マンダレー(Mandalay)では、治安部隊を妨害するバリケード設置を手伝っていた男性(26)が首を撃たれて死亡した。

 国連安全保障理事会は5日、深刻化するミャンマー情勢を協議する非公開会合を開催。クリスティーヌ・シュラネル・ブルゲナー(Christine Schraner Burgener)国連事務総長特使(ミャンマー担当)は会合で、軍事政権に正統性を与えるような措置は一切取らないよう警告した。

 ブルゲナー氏は「ミャンマーに関しては、各国の団結がこれまで以上に必要だ」とし、「抑圧は終わらなければならない」と表明。ミャンマーから国際的措置を求めるメッセージが1日約2000通届くことを明らかにし、「彼らが国連やその加盟国に抱く期待は薄れつつあり、私は(ミャンマーの)母親や学生、高齢者から直接、必死の訴えを聞いてきた」と強調した。ただし、国際的な制裁を求めるには至らなかった。

 軍事政権はデモ弾圧に関する情報統制として、国内のインターネット遮断やSNS(交流サイト)停止などの措置を取ってきたが、弾圧の様子は動画や生配信などで連日露呈している。5日には、ユーチューブ(YouTube)がミャンマー国軍運営のチャンネル数局を削除。国軍自らもネット遮断措置の矛先を向けられた形となった。

 同日には同国各地で数時間の停電が発生したが、同国では過去にもインフラ障害が時折起きており、今回の停電が意図的な措置だったかは不明。政府機関は停電の原因を「システム障害」と説明している。(c)AFP