【3月7日 Xinhua News】中国では春の訪れとともに、旅行・観光市場も活況を呈し始めている。「賞花(花見)経済」が今春の旅行・観光市場を活気づかせる目玉になっていることが、複数の旅行サービスプラットフォームのビッグデータから明らかになった。より多くの男性ユーザーとサラリーマン層が花見に支出するようになったことは興味深い。

【写真特集】過ぎ去った春を惜しみ…2020年の桜、桃の花

 上海市に本拠地を置く中国オンライン旅行大手の携程旅行網(トリップ・ドットコム・グループ)の最新リポートによると、2月末に同社の旅行サイトでの「賞花」というキーワードの検索数は、1月末に比べ3・8倍に増加したという。また、最近同サイトで花見の名所観光を予約したユーザーの数は、2019年の同期と比較して約2・2倍となっている。

 中国大手旅行予約サイト同程旅行(LY・COM)のビッグデータによると、このところ同サイトの花見ツアー商品の予約数が大幅に増加しており、2019年同期と比較して2倍以上になっている。例年と比較すると、近場での花見が主流で、マイカーと高速鉄道が主要な移動手段となっている。

 現在、旅行者の男女別比率は男性が55%、女性が45%となっている。年齢別では、「80後」(1980年代生まれ)と「90後」(1990年代生まれ)がメインで、この2世代だけで全体の68%を占める。同程旅行の担当者によると「90後」世代はSNSのアクティブユーザー層で、ライブ配信やショート動画などが写真愛好家や自然愛好家を引き付けるため、この世代の花見活動を促進しているという。

 アリババグループ傘下の旅行予約プラットフォーム「飛猪(フリギー)」では、「仕事しながら花見」する新たなユーザー層が目立つ。花見の名所でミーティングを行い、仕事をしながら同時に特別なアフタヌーンティーも楽しむというのが、今年の花見時期の「新たな風景」ともなっている。

 中国旅游研究院統計調査所の馬儀亮(Ma Yiliang)所長によると、個人の旅行意欲は高く、2021年も引き続き85%を超えており、旅行・観光市場の回復ペースはさらに速まるはずだという。同院の最新の報告では、2021年の国内の観光客数は前年比42ポイント増の延べ41億人、国内観光の売上高は48%増の3兆3千億元(1元=約17円)になると予測している。(c)Xinhua News/AFPBB News