【3月5日 AFP】米大リーグ機構(MLB)は4日、1920年代から1930年代にかけてニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)で活躍した伝説的選手、ルー・ゲーリッグ(Lou Gehrig)氏の功績をリーグ全体でたたえるために、今季から毎年6月2日を「ルー・ゲーリッグ・デー」に制定すると発表した。

 米国野球殿堂(Baseball Hall of Fame)入り一塁手のゲーリッグ氏は、難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)のため、1941年に37歳で亡くなった。「ルー・ゲーリッグ・デー」は、米国で「ルー・ゲーリッグ病(Lou Gehrig's Disease)」として知られるようになったALSの啓発も目的としている。

 6月2日が選ばれたのは、ゲーリッグ氏が1925年にヤンキースの先発一塁手になった日であることが理由の一つだ。ゲーリッグ氏は、当時の一塁手だったウォーリー・ピップ(Wally Pipp)が頭痛を訴えて代わりに出場すると、そこから2130試合連続出場記録を樹立して「鉄の馬(Iron Horse)」の異名を取った。

 また、この日は1939年に引退したゲーリッグ氏の命日でもある。ゲーリッグ氏は疲労を訴えて自ら出場を辞退し、連続出場記録が途切れた後、医師から病気の診断を受けていた。

 ヤンキースで通算6度のワールドシリーズ制覇と計7度のオールスター選出を誇るゲーリッグ氏は、計493本塁打、1995打点、1888得点の通算成績を記録し、1934年には打率、本塁打、打点部門でア・リーグ三冠王に輝いた。連続出場記録は、1995年にカル・リプケン・ジュニア(Cal Ripken Jr.)によって塗り替えられた。

 ルー・ゲーリッグ・デーには、選手をはじめ監督やコーチの全員が試合中に特別なパッチ付きのユニホームとリストバンドを着用することになっている。その両方には、ヤンキースの永久欠番となっている同氏の背番号4にちなんだ「4-ALS」のロゴが入る。

 ALSは脳と脊髄の神経細胞に影響を及ぼす致命的な神経変性疾患で、患者は歩行、会話、食事の能力を失い、最終的に呼吸もできなくなる不治の病となっている。(c)AFP