【3月5日 AFP】中国の国会に相当する全国人民代表大会(National People's Congress、全人代)が5日に開幕し、中国政府は施政方針として、2021年の経済成長率目標を「6%以上」と設定したことを明らかにした。

 李克強(Li Keqiang)首相は、施政方針演説に当たる政府活動報告で「6%以上という目標により、改革とイノベーション、質の高い発展の促進に全力を注げるようになる」とした。

 昨年の全人代では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により数十年ぶりに景気が後退したことから、数値目標を提示しなかった。李首相は、今回の目標設定について「経済活動の回復を考慮した」と説明している。

 中国の経済成長率は通常、政府の設定した数値目標を上回る。シンガポールのオーバーシー・チャイニーズ銀行(OCBC)の中華圏調査部門を率いるトミー・シー(Tommy Xie)氏によると、多くのアナリストが実際の成長率は8~9%程度になると予測している。

 一方、今年の予算案では、国防費(軍事費)が前年比6.8%増の約1兆3600億元(約22兆6900億円)となった。伸び率は昨年の6.6%を上回ったが、額面では米国の3分の1にとどまっている。

 中国は近年、欧米に匹敵する世界トップクラスの軍事力を保有することを目指し、軍の近代化に多額の予算を割いている。(c)AFP