【3月5日 AFP】国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のミチェル・バチェレ(Michelle Bachelet)高等弁務官は4日、ミャンマーで先月1日の軍事クーデター以降に少なくとも54人が死亡、1700人以上が拘束されたと発表し、同国の国軍に対し、デモ参加者の「殺害をやめる」よう要求した。

 ミャンマーでは3日、各地で治安部隊がデモ隊に向けて発砲する場面が目撃され、クーデター発生後で最多となる少なくとも38人が死亡していた。

 バチェレ氏は声明で、ミャンマーの治安部隊に「平和的なデモ隊に対する残忍な弾圧をやめる」よう要求。「ミャンマー軍はデモ隊の殺害と収監をやめなければならない」と述べた。

 さらに、「同国各地で治安部隊が平和的なデモ隊に実弾を発射しているのは全く忌まわしいことだ」と指摘。「負傷者に治療を施そうとする救急隊員や救急車に対する攻撃が記録されていることにもがくぜんとしている」とも表明した。

 一方でミャンマー国営メディアは4日、デモ隊による「暴動」を非難し、治安部隊は「負傷者を最少に抑えるため、群衆制御用武器のみを使用している」と主張した。

 抗議行動は4日も続き、同国の二大都市であるヤンゴンとマンダレー(Mandalay)など、これまでにも騒乱の場となってきた各地で人々が街頭デモを行った。(c)AFP