【3月5日 People’s Daily】「幕が下りることのないシステムエンジニアリング」、可動文化財の国勢調査をこのように形容する人がいる。中国はすでに3回の移動不能な文化財の国勢調査を終えたが、可動文化財の国勢調査を行うのは初めてだ。調査期間中、中国は10万7000人の調査員、12億4500万元の経費を投入し、102万の国有機関を調査し、計1万815件(セット)の可動文化財を調査した。「今回の国勢調査では、中国国有の可動文化財の『内情』がほぼ明らかになった」と、中国国家文化財局の関強(Guan Qiang)副局長は述べた。

 過去5年間で、中国は第1回全国可動文化財の調査を完了させた。現在、中国の重点文化財保護機構は5058か所、省レベルの文化財保護機構は2万余りで、市・県レベルの文化財保護機構は11万余りに達している。

 文化財の安全の保障は、文化財保護の重要な一分野だ。過去5年間、中央と省レベルの財政のうち文化財平安プロジェクトに使われる資金は、年平均10億元(約160億円)を超える。23省が文化財の安全を地方政府の業績評価の対象とした。中国国家文化財局と中国公安省は共同で文化財犯罪対策特別行動を実施し続けた結果、A級指名手配書を5回発表し、700余りの文化財犯罪グループを摘発し、6000人余りの文化財犯罪容疑者を逮捕し、関連文化財6万件以上を没収した。

 また、4260件の考古発掘プロジェクトが段階的に展開され、重要な考古学的発見が次々と出現した。浙江省(Zhejiang)良渚(Liangzhu)、陝西省(Shaanxi)石峁(Shimao)などの重要遺跡は5000年余りの中華文明史を実証し、海昏侯墓などの発掘保護が注目されている。

 同時に、より多くの観客が博物館に足を運び、文化財を通じて歴史文化を知るようになった。データによると、2019年末時点までに全国の登録博物館は5535軒に達した。2019年の博物館の観客の延べ人数は12億2700万人に達した。博物館だけでなく、「第13次5か年計画」期間中、36か所の国家考古遺跡公園の年間観光客の延べ人数は3460万人で、各世界文化財地の年間観光客の延べ人数は3億人を超えた。

 過去5年間、中国と外国の協力による考古学活動もしだいに一定の規模に及んできた。現在、中国はすでに海外で11件の対外援助文化財保護プロジェクトおよび40件以上の国内外協力考古プロジェクトを実施しており、そうしたプロジェクトは、アジア、アフリカ、ヨーロッパ、南アメリカ大陸の24か国に及んでいる。

 イタリアは中国の流出した文化財の芸術品を返還し、円明園(北京市に位置する、清代に築かれた離宮の遺構)の流出した文化財の馬首銅像が帰還……失われた文化財の帰還は、常に人々の注目を集めている。近年、中国は流出した文化財の追跡・返還作業を積極的ながらも段階的に進めており、流出した文化財のより公平で正義のある追跡・返還国際ルールの確立に向けて中国の実践経験、能力でもって貢献してきた。統計によると、アメリカ、イタリア、日本などはすでに中国に1000件以上の流出した文化財を返還した。中国と窃盗、盗掘、文化財産の不法輸出入防止に関する政府間の二国間合意に調印した国は23か国に達した。

 中国の世界遺産の総数は55件に達し、イタリアと並んで世界一となり、保護・管理・展示のレベルは絶え間なく向上し、国際的な受容度と影響力は日増しに高まり、中国という文明古国は名実ともに文化財大国となっている。(c)People’s Daily/AFPBB News