【3月5日 Xinhua News】中国農業科学院ハルビン獣医研究所国家アフリカ豚熱専門実験室はこのほど、同実験室によるアフリカ豚熱(ASF)の疫学的モニタリングと病原学的研究により、中国の一部の省と自治区で致死率の低いASFウイルス遺伝子II型自然変異流行株が出現したことを、2020年に発見したと明らかにした。

 世界では現在、ASFウイルスの遺伝子型が少なくとも24種類確認されており、アジアでは主に遺伝子II型が流行している。ただ、これまでのところ、製品化されたワクチンや有効な治療法はなく、早期診断と感染した豚の殺処分が主な流行防止策となっている。

 同実験室は2018年、中国初のASFウイルスHLJ/18を分離同定した。中国の農場には、致死率の低い遺伝子II型自然変異株が、少なくとも4種類以上存在している。すでに流行している可能性も高く、継続的に感染を引き起こして病状が慢性化し死に至る場合もあるため、ASF早期診断の大きな障害となっている。

 同実験室による関連研究成果は2月26日、学術誌「中国科学 生命科学(SCIENCE CHINA Life Sciences)」に掲載された。(c)Xinhua News/AFPBB News