【3月13日 AFP】反カダフィ革命の聖地として知られる、リビア東部の主要都市ベンガジ(Benghazi)。戦火で引き裂かれたこの国で思いもよらなかった癒やしのビジネスが、この地に登場した。

 10年前、独裁者ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐の打倒を目指して市民が立ち上がった港湾都市に昨年10月、リビア初の塩セラピーのスパがオープンした。

 2人の女性起業家が立ち上げたスパの名前は「オパール(Opal)」。静かな音楽と控え目な照明に包まれた瞑想(めいそう)的な雰囲気の中で、心地よい施術が行われる。それぞれの部屋は、塩でできた人工洞穴のようだ。

「塩の粒子を吸い込むことで呼吸器が浄化され、肌にも良い効果がある」と説明するのは、共同設立者で代替医療の専門家イマン・ブガイギス(Iman Bugaighis)さんだ。

 彼女はシャベルを使って、30代の男性客の両脚を塩に埋める。客は目を閉じ、塩の塊を両手で握り、ゆっくり呼吸を続けた。

 別の部屋には、ヨウ素が添加された塩の粒子を散布している装置があった。

 1回の施術は45分ほどで、料金は80~120リビア・ディナール(約1900~2900円)。効果を得るには数回通う必要があるとブガイギスさんは述べた。