【3月3日 AFP】フランスの教会における児童虐待を調査する独立委員会のトップは2日、1950年以降の被害者数が1万人に上る可能性があると発表した。

 カトリック教会が設置した同委のジャンマルク・ソベ(Jean-Marc Sauve)委員長は、昨年6月に示されていた推定3000人という被害者数は「明らかに過少報告」だと指摘し、「その数は少なくとも1万人に上る可能性がある」と述べた。

 虐待の被害者や目撃者らからの通報先として、2019年6月に開設されたホットラインには、最初の1年5か月の間に6500件の電話が寄せられた。ソベ氏は記者会見で、「われわれにとっての大きな疑問は『被害者のうち何人が名乗り出ただろうか』というものだ。25%か10%か、5%なのか、それ以下なのか」と自ら問い掛けた。

 相次ぐ児童虐待問題がフランス内外のカトリック教会を揺るがしたことを受けて、同国の司教協議会が2018年に独立調査委員会の設置に合意。同委の活動について被害者団体からは、当事者が名乗り出ることを促す動きとして歓迎する見方も出る一方で、検察が進んで訴追に踏み切れるのかどうかを疑問視する声も上がっている。(c)AFP