【3月5日 AFP】北アフリカのチュニジアで、食用花を栽培する起業家のソニヤ・イビディ(Sonia Ibidhi)さん(42)は、国内での需要に驚いた。「新しい食文化」の開花に期待を寄せている。

 ジャーナリストのイビディさんは土いじりへの「愛情」から、ニッチではあるが需要のある食用花の有機栽培を始めた。

 イビディさんが育てる花はさまざま。キュウリのような味のする青い星形のボリジ、タマネギのような風味のある紫色のチャイブ、そしてラディッシュのような味の黄色やだいだい色のナスタチウムなどだ。

「花は輸出用のつもりで、地元ではすぐには売れないだろうと思っていました。でも、特に高級ホテルからの需要が伸びていて、驚いています」とイビディさん。

 フランスから42種類の種子を持ち帰ったイビディさんは現在、10種類ほどの花を育てている。

 イビディさんは自身が手掛ける花がきっかけとなり、「国の新しい食文化」が芽生えることを願っている。

 チュニジアには、花を用いる伝統料理も。乾燥したバラの花びらを用いるスイーツもあれば、クスクスに使われるスパイスミックスにはラベンダーが入っている。

 だが、スープからサラダ、お茶にまで使える生花は、チュニジアの人々にとって目新しい。(c)AFP/Kaouther Larbi